3月27日に開催されたStartup Lady Night:アクティブ・コネクター創業者の松本麻美さんにインタビューしました
Startup Lady Japanでは毎月「Startup Lady Night」と題して、ゲストスピーカーを招いての交流会イベントを開催しています。影響力のある女性起業家、リーダーシップのある女性が登壇し、自身のストーリーを語ります。成功だけではなく失敗や苦労などのあるリアルな起業ストーリーを聞くことができ、活躍している起業家からビジネスのヒントがもらえます。
テーマやゲストスピーカーは毎月変わるため、様々な気づきや新しいつながりが生まれます。3月27日に開催されたStartup Lady Nightのテーマは「つながり」。外国人エンジニアと日本のスタートアップを結びつける会社、アクティブ・コネクター創業者の松本麻美さんをお招きして、起業ストーリーを語っていただきました。
「私はビジョンを失い、共同設立者は会社から立ち去りました。その後、チームメンバーも一人一人、ほぼ毎月のペースで会社を立ち去っていきました。とても孤独で過酷な道のりを乗り越えないといけませんでした」と語った松本さん。山あり谷ありだった起業ストーリーを語ってくださいましたが、その“孤独で過酷な道のり”を乗り越えてきたパワーと成功の秘訣に迫りたいと思い、イベント後にインタビューさせていただきました。
Q:「女性起業家」と聞くと、バリキャリの強い女性を想像しますが、松本さんは小さい頃どのような性格のお子さんでしたか?
A:小さい頃から、とにかく人の上に立ちたがる子でした。学級委員や応援団の団長などは、いつも「絶対自分じゃなきゃ!」という思いでした。みんなからリーダーに認められてなるというよりは、自分からなりたい、というタイプでした。
Q:アクティブ・コネクターのアイディアを思いついた時に、頭から離れなかった言葉として「生きることは、はたらくこと。はたらくことは、生きること」と紹介されていましたが、このインスピレーションはいつ、どこから来ましたか?
A:起業を考えている時、ふとこの言葉が自分の頭にふってきました。
それからというもの、なぜかこの言葉が頭から離れず、ずっと響いていました。最終的に、起業を決意するまでこの言葉が自分にまとわりついて離さなかった、という感じですかね。
自分でもこの言葉の意味を完全に理解していた訳ではないのですが、会社を設立する目的はこの言葉にあると直感しました。
不思議なことなのですが、自分自身は「大切な言葉だ!」と直感をしたものの、頭ではこの言葉の意味をしっかりと理解していないままでしたが、会社を経営して5年になりようやくこの言葉の意味に腹落ちしてきたという感じです。
Q:3.11 をきっかけに大手企業をご退職され、パキスタンに飛んだそうですが、どのような思いでその行動をとられたのでしょうか?
A:大学院を卒業して新卒入社した外資系金融で働いていた2年目の終わり頃に、3.11が起きました。この3.11をきっかけに、NGOに転職するんですが、そのNGOはモルジブとか、インドネシア、ベトナムなど色々な国で活動していました。「この中のどれかだったらいいかな」と思ってそのNGOに入ったら、実はパキスタンも入っていて、自分の派遣先がそこになっちゃった、という感じです(笑) それまでは、「自分は3年この会社にいて、そのあとは…」という綿密な計画があったんですけど、3.11で将来や未来ではなく、今を生きる大切さを感じて、その時自分がどうしても国際協力という道に進まなければ気が済まないという状況だったため、「じゃあ情熱に従って行動しよう!」となりました。“同じ会社で3年働くべき”とか、誰かが決めるものなんてどうでもいいから、やりたいことをやってみようと。
一度心を決めると、色々な不安は結構ただの妄想で、人生がある限り、なんとでもなるだろう、というように割り切れるようになりました!
Q:夢を形に、ビジネスにする上で、松本さんが心掛けていることはありますか?
A:「どんなに大変なことが起きたとしても、絶対にその状況を成長や学びに転換する」ということですね。何か辛いことが起きたら、その起きた時の状況よりも絶対一歩でも二歩でも上のステップまで這い上がって行くことです。じゃないと悔しいじゃないですか。「転んでもただでは起きない」って言うんですかね、その時の状態より絶対に一歩でも前に進むことを心がけています。
Q:これから「情熱・個性」を形にしていこうとしている人に向けて、メッセージをお願いします。
A:まずは自分の情熱を人に伝えて、一歩目の行動をとることから始めてください。そこから、新たなインスピレーションがあったり、人とのつながりで前に進んでいくと思います。一歩目を踏み出すことがとにかく大事です。よく、不安や心配から一歩目が踏み出せないという声を聞きますが、失敗して最悪になった事態を考えて「こんなもんか」と思えれば、チャレンジできると思います。私の場合は、このビジネスが失敗しても、幸い自分は英語が人よりは出来るし、私の母親も英語教室を運営しているので、英語の講師として働けばいいと思っていたから、ためらわずに一歩目を踏み出すことができました。
松本さんは、一度は方向性を見失ったものの、強い意思によってミッションのある素晴らしい会社を築き上げました。現在、アクティブ・コネクターは6,000人以上のメンバーに対して、日本の革新的な企業での意義ある仕事をみつけるサポートをしています。松本さんのように、皆さんも「やってみたいこと」に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。