スタートアップへとソーシャル メディア 〜アナンヤドナパティのビジネスへの挑戦

アナンヤ・ドナパティ(22歳)は、日本語学習コンテンツで有名なDogenからインタビューを受けるなど、その素晴らしい日本語力が、ネット上で知られています。カリフォルニア州サンフランシスコを拠点に、Twitterで2万人以上、TikTokInstagramで4万人以上のフォロワーを持つドナパティさんは、異なる国や文化の架け橋になろうとする国際感覚豊かなZ世代インフルエンサーの新しい波を代表する存在です。インドで生まれ、ベイエリアで育ったドナパティさんは、米国と日本の両方で独自の道を切り開いています。ネット上で彼女は、その優れた日本語力で知られていますが、ビジネスにも非常に情熱的で熱心な彼女は、昨年2021年にカリフォルニア大学バークレー校のハースビジネススクールを早期に卒業し、日米間で何かビジネスに関連することをしたいと考えています。数万人のフォロワーがいても、ドナパティさんにとってコンテンツ制作は副業であり、現在のフルタイムの仕事はアマゾンのマーケティング・スペシャリストです。

サンフランシスコのカフェで話す彼女は、マーケティングへの魅力は、コンテンツ作成への魅力と似ていると言います。その魅力は彼女が子供の頃から持っていた創造性です。 しかし、マーケティングは、彼女が考えていたような創造的なものではありませんでした。でも彼女は、マーケティングにやりがいを感じ、また大学や仕事を通じて知り合った人たちとの出会いを通じて、マーケティングのパワーを再認識しています。彼女は、新しく見つけたやり方で学習し、常に成長しようとしています。例えば、毎月ベイエリアで日本語を話す人達の集まりを主催しており、主にスタートアップ スペースの関係者、ベンチャー キャピタルの関係者、またエンジニアの方々の注目を集めています。この取り組みの背後にある目的は、日本人とシリコンバレーのビジネス・コミュニティを結びつける事だそうです。「日本のビジネス界で私が尊敬する人々の中には、日本から逃げるように米国に来た人も多く、落胆することはあります、しかし、全体的に日本の経済が非常に好調であり、長い間日本が高いGDPを維持してきたことは事実で、それは彼らが持っているビジネスの質のレベルを物語っていて、自らの原動力ににしているのです。」と彼女は言います。また最近、ニューヨークを訪れた際に、日本の国旗を掲げた大きなビルや、日本の銀行など、日本とのつながりを深く感じ、私は決して専門家ではないと明言しながらも そこに日本人の持っているビジネスの質の高さと大きな繋がりを感じたと言います。

月に一度の彼女の集まりでの写真

米国と日本をよく知る人なら、オフィスにいる時間の長さ、日本の会社の上下関係、敬語など、日米のワークカルチャーの違いは十分承知しているでしょう。しかし、世界のワークカルチャーの変化とともに、新たなトレンドや違いも生まれています。「アメリカには女性は司やZ世代がいて、『仕事を通して得るものもあって、ワークライフバランスは必要だけど、副業もやる』というハッスル文化、というものがあります。またシリコンバレーでは、このハッスル文化がさらに増幅され、誰もが何かに取り組んでいるように感じます。常にインポスター症候群なんです。このハッスル文化がもっと日本にもあれば良いのにと思います。私の友人の1人は(日本で)会社を経営していますが、彼の友人の多くは卒業できずに留年しており、その一方で彼は成功を収めています。ここ(アメリカ)では、いろいろなことをやっているのがカッコいいんです」。ドナパティさん はもちろん、2 つの職場文化の性別間の違いについても取り上げました。「私が会ったたくさんの20歳、21歳くらいの日本人女性はあれもやりたい、これもやりたいと魅力的なことを話すのですが、彼女達は周りの目を気にして実行するとなると消極的なんです.。でも彼女達に提供できるものはたくさんあると私は思っています。」 日本のTwitter上でネットワーキングをした経験で、彼女は1、2人の女性としか話したことがないというが、この状況が一夜にして変わることはないが、変化はすでに訪れているのだという。

バークレー校の優秀な卒業生らしく、彼女がソーシャルメディア上でオンライン上の視聴者を増やす方法は、データとアドバイスから得たものでした。彼女は ツイッターの アカウントの発展に関する日本の資料を読み、日本の視聴者用に貢献したスタートアップや、日本語学習、日本での経験、アメリカでの生活等について、オンラインでの活動を開始したのです。

彼女は、人々が ツイッターアカウントをどのように見て、どのようにフォローしているかの仕組みを学び、自己紹介のプロフィール ビデオを作成しました。また、ツイッターのフォロワーを構築する方法を学び、1 日 3 回投稿するためのアラームを作成し、それに加えて日本の勤務スケジュールに従ったり、 アルゴリズムがどのように機能するかを理解したりしました。こうした努力の結果、すぐに成果が見られました。その後、TikTokやInstagramに移行し、フォロワーを増やしていきました。しかし、彼女は、自分が作りたいものに近づいていると言いながらも、現在まだ模索中だと話します。異なるソーシャルメディアを異なるオーディエンスに対して、どうバランスをとるかを自分はまだ学んでいる最中なんだと。TikTokでは、日本語学習者のコミュニティーに対応してきましたが、ドナパティさんは、英語圏の視聴者が日本や日本語のコンテンツを求めていることを認識し、その需要を満たすことを目指してきました。しかし、彼女の情熱は他にあります。「なぜなら現在ブランドを構築している人々にとって、数か月の高成長があるかもしれないということを利用することが重要だからです。そして試すことです。」とと言うました。今まで何が効果的かを見極めるために十分なコンテンツを発信してこなかったので、もっと試すことに尽きると思うと彼女は話します。今のところ、彼女はTikTokを主に英語圏の視聴者に、Instagramを日本語と英語圏の視聴者に、Twitterを日本人のオーディエンスに使っています。

ドナパティさんのTikTokの一例:「日本語は、漢字のせいで本当に難しく感じられます。でも、一歩ずつ進めば、1〜2ヶ月でひらがなとカタカナを覚えて、もう2/3は知っているという自信をもって、漢字に進むことができます。」

ドナパティさんは、米国ではインフルエンサー、またはコンテンツ作成における収益化の機会が単に多いだけだと言います。日本では、ツイッターだけが、特にビジネスにおいて、唯一ポジティブに捉えられるものだと感じていますし、ツイッターを通じて多くの人脈を築くことができた彼女は、日本に対してはツイッターだけを使っているそうです。また、InstagramやTwitterで日米両方の視聴者に届けるのは魅力的で、日本の人々は、コンテンツ制作に対してより前向きになってると言います。彼女は、日本の視聴者にとって、彼女のコンテンツがより教育的であるのに対し、アメリカの視聴者は彼女のコンテンツのエンターテイメント性に重点を置いていることを発見しました。日本のTikTokやInstagramのクリエイターは、エンターテイナーやタレントを目指しているようですが、それは彼女が目指しているものとは少し違うそうです。なぜなら、ソーシャル メディアは 彼女 にとって目的を達成するための手段だからです。「私が考えるソーシャル メディアは、ビジネスの仕組みを学ぶための足がかりです。「 ソーシャル メディアは副業としての柔軟な仕事にしたいと思っていて、常にターゲットになる視聴者のことを考える必要性があります。ソーシャルメディアを通じて立ち上げたものをどのように 向上させていくかを常に考えることは本当に難しく、自分自身で何かを運営することを教えてくれています。この経験は自分で何かを作り上げる方法を学ぶ良い足がかりになりました」。

長期的な目標はあるかと聞かれると、「特にないですね、まだ考え中です。でも、日米に関連したビジネスをしたいとは思っています。」と語っていました。例えば、サンフランシスコで誕生し、日本の美を製品に取り入れ、日本国内で人気を博しているプロジェクト管理・ノート作成ソフトのNotionのような会社からインスピレーションを受けているそうです。そして何より、自分が作ったものが、良い影響を与え、有益なものになることを望んでいます。「今は、コンテンツ制作の仕事をしたいし、それが何か大きなことにつながるかもしれない」と彼女は話します。

筆者:キーズ玲香

翻訳者:尾方しおり

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