アメリカから日本へ: とあるメキシコ系アメリカ人シェフは、自分自身とコミュニティを創造しています

神奈川県の葉山市を訪れることを誰かに話せば、そこがいかに趣があるか、皇室がいかにして、そこに海辺の邸宅を持っているかを教えてくれるでしょう。しかし皆が言わないのは、そこで舌鼓を打つほどおいしいタコスを見つけることが出来るということです。5月7日(土)、Nippon Viajeroという会社は、シェアヴィレッジ葉山のスペース内で最初の屋内ポップアップショップを開催し、本格的なアル・パストールとベジタリアンのファヒータ・タコスを提供しました。タコス、ブリトー、またはアメリカ風メキシコ料理を元とした沖縄料理のタコライス、または日本風タコライス以外のメキシコ料理のイメージを日本で思い浮かべるのは難しいです。タコライスには、日本に住むアメリカ人が持つ小さい頃から慣れ親しんだ思い出の味であるアメリカ風メキシコ料理への想いから生まれる、独自の文化的メリットがありますが、より伝統的な本場のものとはまったく異なります。Nippon Viajeroでは、ワークショップやタコスのポップアップストアを通じて、ラテンアメリカの文化や本場の味を学ぶことができます。特に、5 月 7 日のイベントは、1862 年のフランスと戦ったプエブラの戦いでメキシコが勝利した記念日であるCinco de Mayo(シンコ デ マヨ)を祝うためのものでした。この休日はメキシコのプエブラで始まりましたが、世界で有名なビール、ワイン、テキーラの会社達が、歴史的にこの休日をマリアッチ音楽やソンブレロの装いを通して、アルコールを宣伝するために使ったてきた事がきっかけで、 現在はアメリカや世界の他の地域で有名な休日になっています。提供される料理は、店頭で購入する様なスパイスパックでは味わえない、アメリカ南西部またはメキシコ自体を訪れたことがある場合にのみ馴染みがあるであろうメキシコの本格的な味です。

葉山シェアビレッジでのポップアップ。

新鮮なハーブや乾燥したハーブ、スパイスを使用し、すべてのフレーバーの プロフィールをゼロから作ります。また、肉やその他の中身や詰め物は長時間マリネされており、 プロセス全体は長く、多くの忍耐と献身を必要とします。

野菜のファヒータタコス。


30 歳の ヴァネッサ・キンタナさんは東京と神奈川地域で、料理ワークショップやその他の文化的美食体験を通じて、メキシコやその他のラテンアメリカ文化の認識を高めることに専念する組織、Nippon Viajeroの創設者です。私達は、キンタナさんと彼女の友人たちが、当時この地域で最初のデジタルNFTアートギャラリーを特集していた協同組合を通じて、共同所有する工業用キッチンを備えていたもしも というカフェで会いました。「もしも」の意図は、クリエイターと葉山の地元のコミュニティが一緒になって、お互いの夢をサポートする環境を育むスペースを持つことです。もしものミッションは、「もしも世界に欠けているものを作ることができたなら?」 です。これは、Nippon Viajeros の料理プロジェクトが日本で行っていることと一致しています。「私たちは長い間ここに欠けていたものを作りました」と彼女は言います。それは、「多様なコミュニティが集まり、料理を通じてラテンアメリカの文化について学ぶことができるスペースです。私はもしもプロセスに深く関わり、現在の業務用厨房の立ち上げを手伝いました。」そのキッチンは、イベント、ケータリング、ポップアップレストラン、カフェのベーキングに使用され、スペースで月に1回程度行われるNippon Viajeroの料理ワークショップに使われます。この夏、2022 年 7 月 1 日から 8 月 1 日まで、Nippon Viajeroのタコスポップアップが葉山の森戸ビーチで開催されます。

ポップアップの舞台裏。

ヴァネッサ・キンタナさんは過去 2 年間、彼女の料理ワークショップを楽しく、有益で、そしてもちろん美味しいものにするために懸命に取り組んできました。


米国ニューメキシコ州サンタフェ出身のキンタナさんは、スイスのベーカリーで副料理長を務めたり、ホームレスの若者を支援するソーシャル ワーカーとして働いたりと、多様な人生を送ってきました。2017年、彼女は日系アメリカ人の夫と一緒に日本に引っ越しました. 日本に訪れたのはこれが初めてでした。 しかし、彼女はすぐに日本の社会事業の場面は米国とは大きく異なることに気付き、代わりに自分が美容会社で働きました。そこで彼女は昇進し、そこのマーケティングおよびソーシャル メディア チームでデジタル マーケティング デザイナーとして働きました。Nippon Viajero は、日本に移住する移民のための方策ブログを目的とした単純な HTML Web サイトとして始まりまり、 Nippon Viajeroの名前は、日本を意味する日本語の「Nippon」と、旅行者を意味するスペイン語の「Viajero」を組み合わせたものです。これは彼女のコミュニティがどうなるかを説明するのに最適な名前です。長い時間自身と向き合った後、キンタナさんは、「私たちは食べ物を通して思い出をよみがえらる」と思い料理芸術への情熱を再燃させます。そして、本物のメキシコ料理や彼女が頼ることができる大きなラテン系コミュニティーは周りにありませんでしたが、キッチンで 母親が小さい頃彼女育てるために使用したレシピを作成し、少しずつ始めていきました。彼女は美食の経験と知識があったため、料理の世界への移行は非常に直感的でした。 彼女の父親はかつてイタリアン レストランのシェフで、クインタナさんははキッチンで、母親、祖母、さらには友人の叔母など、人生で出会った女性からも料理について多く学びました。 「あなたが出会う移民の家族の出身の女性達は、多くの場合、とても強く、彼女達の国文化に強く影響を受けており、その国の伝統を大切にしている」と彼女は言いました。まずは日本料理の基本を理解したいと思い、彼女は東京で日本人シェフのもとで料理教室を受講し、日本語のレッスンを受け、日本の食料品の買い物の内外を学びました。 「メキシコ料理やすべてのラテンアメリカ料理では、私たちはなにも測らないです。ムード、感情、フィーリングを基準にします…目で見て、その日の気分で行うだけです」と彼女は言いました. 「でもここ日本では、粉の量や水の量、正確な温度を正確に教えてくれます。 違った方法ですが、私はそれも大好きです。 そのおかげで料理が上手ました。なので参加者にも順番に同じように教えています。 どちらも長所があります。」彼女の豊富な経験にもかかわらず、今日でもNippon Viajeroが提供する体験の質を向上させるための調査が続けられています. キンタナさんは、単純に「好きな人もいれば嫌いな人もいる」と言って、人々に合わせて調整されたメキシコ料理を提供したくないと言います。 彼女は次のように詳しく説明します。「プロジェクトのアイデアは、ラテンアメリカの食べ物を体験することです。なぜなら、 日本では本場のラテンアメリカ料理が体験できず、ラテンアメリカの料理は日本にあわせられるうちにたくさんのことを失っているからです。」日本人の中には、メキシコに行ってその文化を体験し、それを持ち帰り自身のレストランで提供しているかも知れませんが、メキシコ料理を理解するのは難しいでしょう。 世界の他の地域では、アメリカ風メキシコ料理がメキシコ料理と見なされており、誰かに説明してもらえない限り、分からないと思います。主流と戦わなければならないんです。」

私たちは、ビジネスの宣伝方法を自分自身で決定できる時代に生きています。 それは大変な作業です。 しかし、テクノロジーは小さなコミュニティへの利益を人々にもたらしたと思います。
— キンタナ・ヴァネッサさん

しかし、新型コロナウイルスの影響で、Nippon Viajero の活動を単なるブログから文化的なプロジェクトの使命へと移行させました。 彼女はオンラインで始め、先生の助けを借りて、2020 年に下北沢の近くで東京クッキング スタジオと共同で最初のワークショップを立ち上げました。それ以来、彼女はベスト リビング ジャパン、ラテン カリビアン フェスタなどの他の組織や、日本の他のカフェ、農場、テクノロジー企業、ラテン系アメリカ人が所有する企業と協力しています。全ての組織や企業がメキシコ料理を本物の状態で促進する努力を続けています。 Nippon Viajeroは、他のクリエイターとのコラボレーションや作業に常にオープンです。彼女のワークショップは主に、人々がタマーレ、サルサ、コンチャの作り方を学べるメキシコ料理に目を向けていますが、彼女はラテンアメリカ大陸全体で見られる料理に拡大することを夢見ています。 彼女のワークショップは、家庭で再現できるラテンアメリカ料理を日本に持ち込むことを意図として、料理のスキルやバックグラウンドに関係なく、あらゆる人生の人々が楽しめるように作られています。12 人のフォロワーから始まったコミュニティは、約 3 年間の継続を要して、有意義なコミュニティになりました。それは簡単なことではありませんでした。 前の仕事で学んだことを応用して、彼女は自分のスキルを使い自分自身をソーシャル メディアを通じて宣伝しました。 キンタナは自分自自身ライベートを大切にしており、家族との生活をソーシャル メディアに繋げるを避けていますが、Nippon Viajeroの顔であるため、何か必要なのを理解しており、次のように述べています。「とても負担が大きく、疲れ果てしまうので…自分自身をそこに置くことに興味がありませんでした。」しかしもちろん、彼女は先生であり、Nippon Viajero の運営の顔であるため、自分自身のオンライン上の活動をする必要がありました。 Twitter や Instagram の人々の支持を得て、彼女は今、自分の周りで何が起こっているかを知り、自分の名前を世に広めるために、ソーシャル メディアの活動が必要であると考えています。また彼女は 「中小企業のオーナーがブランドを宣伝するのに役立つ優れたツールだと思います。顧客と直接接触する能力は大変です。 私たちは、ビジネスの宣伝方法を決定できる時代に生きています。 大変な作業です。 しかし、テクノロジーは人々に、小さなコミュニティへの多くの恩恵をもたらしたと思います。」と話します。


自身の料理ワークショップの 1 つで教えているキンタナさん。


キンタナさんの使命は、 より多くの地元の農場やラテン系の小規模企業と協力しながら、より多くの人々がこのユニークな文化体験を楽しめるように、料理プロジェクトを日本中に拡大することです。彼女のワークショップでは、設備がほとんど、またはまったくない日本の小さなキッチンでも本格的なレシピを作ることが出来るようにすることに重点を置いています。メニューは、伝統的なメキシコの習慣に忠実でありながら、その時期に日本で利用できる季節の食材を使っています。 また、Nippon Viajero は、日本中でメキシコやその他のラテンアメリカの食材を見つけることができる農場などの場所を載せたガイドも作成しました。 参加者の目標は、新しい料理技術を学び、レシピのレパートリーを拡大し、食への愛を共有する多様な人々の新しいコミュニティに支えられ、経験から抜け出すことです。この夏、組織はあらゆる種類の料理と文化のプロジェクトで忙しくしています。 2022 年 7 月に開催される彼女の農場から食卓へというワークショップでは、持続可能かつ無農薬で農産物を栽培している日本の小さなパッチファームに焦点を当てます。これにより、彼女のワークショップに参加する学生は、自身の食材が運ばれてくる場所と繋がりを持つ事ができ、またおいしいだけでなく健康的な、新しいメキシコのレシピを学ぶことが出来ます。特にタコスワークショップのメニューは毎月変わる人気の体験です。 このワークショップには多くのプロジェクトがありますが、彼女がとりわけ発表できることを楽しみにしているのは、50 のメキシコ料理のレシピを含む料理本です。そのレシピの一部は彼女の家族から受け継がれ、一部はここ日本で作成されました。 すべてのレシピは日本のキッチンでの使用に合わせて調整されており、すべてのレシピにはそれぞれスのトーリーや詩が含まれています。 この本は2022年後半にリリースされる予定です。

彼女が過去を振り返り、何かを変えることができるとしたら、もっと早く始めたいそうです! 彼女は、「自分を信じてジャンプすることが重要で、失敗は、転んだり間違えたりすることではなく挑戦しない事です。 いつやったかに関係なく、挑戦ををした事が幸せです。 そして、とても協力的でこのプロジェクトの重要なメンバーである夫と家族、また創造性を発揮して自由にアイデアを実行するための機会を私に与えてくれる”もしも”のようなコミュニティに恵まれてことに感謝で一杯です。」そして彼女の他のハードルは何でしょう? 現時点では、私たちと一緒にプロジェクトを拡大するのを手伝ってくれる他の文化的なクリエイティブな人達を探しています. Nippon Viajeroは現在、チームに参加するしたい食や文化に情熱を持っている共同製作者や、他の個人を歓迎しています。クインタナさん のプロジェクトは野心的なものです。なぜなら大陸の料理、特にラテンアメリカ料理のような多様な料理を共有して紹介することは挑戦だからです。 しかし、キンタナさんはここ日本で彼女が担っている役割を理解するために時間をかけ、 エネルギーと忍耐力を持ち、この国の人々にこのラテンアメリカ文化の側面を一度に少しずつ教えることを決意しています。

Nippon Viajero の仲間達。

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写真はジェンキンズ・マロリーが撮影したもの、またはNippon Viajeroから提供されたものです。

筆者:キーズ玲香

翻訳者:尾方しおり